映画『0円キッチン』四角大輔コメント

16 November, 2016

映画『0円キッチン』四角大輔コメント

「食糧危機」を吹き飛ばすエンタメ・ロードムービー。

世界で生産される食料の3分の1は食べられることなく廃棄されている。その重さは世界で毎年13億トン。「捨てられてしまう食材を救い出し、おいしい料理に変身させよう!」食材救出人のダーヴィドがヨーロッパ5カ国を巡る おいしく明るい”食”の旅路。


途上国では今この瞬間にも、子供が飢えで亡くなっている。

なのに世界では食糧の1/3が廃棄され、「モッタイナイの国」であったはずの日本の食糧廃棄率は、今や世界トップクラス。

こんな狂気的な現実を、クリエイティブかつユーモラスに解決しようとする映画『0円キッチン』に、ぼくは心酔している。

いや、主人公〝食材救出人〟であり監督、ジャーナリストのダーヴィド氏に惚れこんでしまったと言っていいだろう。

「ゴミ箱改造キッチン付き廃油カー」で欧州主要国を回りながら、まったくムダな食品ロスの現状に直面するダーヴィド氏。

だが彼は、各地の希望的でヒップな活動家や起業家、料理家や政治家、そして昔ながらの伝統的な調理法で食料を一切無駄にしない賢人たちと会い、様々な解決方法を探る。

「林の野草」「公園に実るフルーツ」「各家庭の冷蔵庫に眠る賞味期限切れ食材」「飲食店やスーパー裏に捨てられた新鮮な食べ物」と、人が暮らす街には「0円」で手に入る食糧がいくらでもあった。

ニュージーランドで、自宅周りの森や水域、自作オーガニック菜園や集落での物々交換からの恵みをベースにし、低消費に暮らすぼくにとっては、「そうそう!」と叫びたくなるシーンが次々と出てくる。

ひとりでも多くの日本人に、この映画を観ていただきたい。

- 四角 大輔(森の生活者・執筆家)


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http://unitedpeople.jp/wastecooking/